会長:高橋 完
(金沢医科大学病院)
この度、急遽、東海・北陸支部第20回学術集会を担当させていただくことになりました金沢医科大学麻酔科の高橋 完と申します。
世界中がコロナ禍となってすでに2年以上になります。
わが国でもワクチン接種は徐々に進んでいるものの、変異株による感染拡大についてはいまだ予断を許さない状況です。
誠に残念ながら、2022年度の支部学術集会の開催形式は2021年度と同じく完全WEB形式と決定されました。
最近の麻酔科における話題としては、新規の静脈麻酔薬であるレミマゾラムが登場したこと、
新型コロナウイルス感染症拡大を機にビデオ喉頭鏡が加速度的に普及したことなどが挙げられます。
今後、小児も含めて国内でワクチン接種による一定の効果が認められると、
これまでコロナ禍のために差し控えられていた不急の手術が再開され、
逼迫した病院経営を立て直すために各施設で手術件数が増加することが予想されます。
それに伴い、麻酔科医の国民的ニーズはさらに高まるでしょう。また、周術期管理だけでなく、
重症患者管理に従事する救急・集中治療、そして疼痛・緩和医療と麻酔科医が活躍することが期待される領域は
多岐にわたっているのはコロナ禍の前と変わらず周知の通りです。
その一方、近年われわれ麻酔科医を取り巻く状況は極めて厳しいと自覚しております。
麻酔科医の偏在、医師の働き方改革、学会から提言された行動規範の遵守など克服しなければならない問題が山積みです。
前述の領域すべてにおいて麻酔科医が十分に対応するにはまだまだ時間がかかりそうです。
まずは謙虚に足元を見つめ、一歩一歩着実に前進することが望まれます。
麻酔科学会だけでなく他領域を含めて多くの学会がWEB形式やハイブリッド形式になるなど学会や研究会の有り様も今後変容していくものと思われます。
ソーシャルディスタンスを取ることが求められ、人と人との物理的な距離は離れていても、
われわれ麻酔科医は緊密に連携して麻酔科学の発展と日々の麻酔科診療に取り組んでいかなければならないと考えます。
WEB上ではありますが、是非とも積極的に演題を応募していただき、
会員相互の絆を確かめられる充実した支部学術集会となりますよう、心からお願い申し上げます。
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